ウィキデータ(Wikidata)であそぼう:画像を検索する
ウィキデータで遊ぼう企画の続きです。今回は、ウィキデータに登録されている画像=大体はウィキペディアに表示されている画像を検索してみます。
前回の記事はこちらで読めます。
ウィキデータの項目には、ウィキペディアと同じくウィキメディア・コモンズにある画像を追加することができて、人物の肖像や、項目のものの全体像、ロゴマークなど、様々な画像を見ることができます。
ウィキメディア・コモンズの簡単な紹介
ご存知ない方のために、ウィキメディア・コモンズについて簡単に紹介しておきます。ウィキメディア・コモンズは、ウィキペディア(全言語)で表示される画像の大部分を保存、分配しているサイトです。画像だけではなく、音声やビデオ、プレゼンテーション、PDFなどのメディアファイルを保持し、ウィキペディアや、他のウィキメディアのプロジェクトサイトからは、ファイル名を指定するだけでウィキメディア・コモンズにあるファイルを表示、使用できるようになっています。
ファイルのアップロードには、明示的なライセンスの付与と最低限のタグ付けを必要としているため、ウィキメディア・コモンズはなんとなくカテゴリで検索できるフリーっぽいライセンスのファイルが6000万ほど使用できる巨大なサイトになっています。
また、もともとは百科事典的な写真やイラストが多くありましたが、次第に美しい写真も多く集まるようになっており、2010年から[[:w:ja:Wiki Loves Monuments]]という世界最大の写真コンテストの開催もされています。
大阪の橋の画像を出してみる
ウィキデータとコモンズの関係の前に、ウィキデータにある画像を検索してみましょう。これまでと同じく、大阪市にある橋の画像を検索してみます。
Googleでの画像検索のような結果が表示されたはずです。Googleの画像検索とちょっとだけ違うのは、表示された画像は(今の所)大阪の橋の物だけである、ということです。
画像の検索でも、これまで紹介してきたのと同じく、様々な条件で検索結果の絞り込みができます。
いずれも、条件に合うものがぴったり出てきます。
ここでちょっと調子にのって、大阪市の条件を外してみましょう。
世界の橋の画像を検索する
条件としては、大阪市にある、というのを外すだけです。数が多いので100個に制限しています。
というように、場所の条件を外すと全世界が対象となります。
ウィキデータとウィキメディア・コモンズの関係
ウィキデータはウィキペディアと同じく、ウィキメディア・コモンズの画像や音声のファイルを使用しています。一方、コモンズはその各画像のメタデータのうち、例えば作者や所蔵館などの情報をウィキデータから使用していて、両者は互いに補完しあう関係となっています。
ウィキメディア・コモンズは長い間検索が不便、かつメタデータの管理に膨大な手間が割かれています。その改善のため、2017年からwikibaseというウィキデータで採用しているデータベースのシステムをつかったタグ付けのシステムに移行しつつあります。
現在のウィキデータからの検索は、その新しいシステムをほんの少し先取りして体験できるものと言えるでしょう。
ウィキデータで絵画を検索する
せっかくの画像の検索なのでもっと画像的なものを検索してみます。
ウィキメディア・コモンズにはGoogle アートプロジェクトなどの大きなものを含め大量に西洋絵画の画像とそのメタデータが登録されています。
など、いずれかの言語版に記事があるある程度昔の画家の絵であればだいたい出てきます。
さらに、これらの画像は様々なプロパティで検索できます。以下にその例を示します。結果を眺めるだけでも興味深いので是非次々開いてみてください。また、以前紹介した条件の変更方法でお好みの検索をしてみてください。*1
- 文芸思想(P135) バロック、ロココ、ルネサンス、印象主義、ロマン主義、キュビズム、新古典主義など
- 制作国(P17) ものにより様々*2 イタリア、フランス、ドイツ、日本、ロシア、スペイン、インド
作者(P170) 製作者 レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ・ブオナローティ、ラファエロ・サンティ
- 所蔵者(P195) 所蔵者 メトロポリタン美術館、ボストン美術館、ルーブル美術館、ウフィツィ美術館、ブリヂストン美術館、エルミータージュ美術館
- 制作技法(P2079) 油絵、フレスコ、版画など
- サイズ(P2048, P2049)高さ、幅
- 材料(P186) カンバス、紙、油絵の具、鉛筆など
カタログ番号(P528) これで直接検索するのは稀かとおもいますが作品番号など
いつもに比べて、だいぶたくさんの例を紹介しました。